じゃがいもが緑色になったものは食べれる?緑色の正体は毒!?

じゃがいもが緑色になったものは食べれる?緑色の正体は毒!?

じゃがいもが緑色になったものは食べれる?緑色の正体は毒!?

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じゃがいもを何個か買ったけど1個うっすらと緑色っぽいものがあった。

 

 

これって食べれるの?食べたら危ない?

 

 

じゃがいもの芽にはソラニンっていう毒があるって聞いたことあるけど皮とか実にもあるの?

 

今回は「じゃがいもの緑色」をテーマに調べたことをまとめたので参考にしてください。


緑色になったじゃがいもは食べれるのか?

緑色になったじゃがいもが食べられるかどうかは緑色の正体がなんなのかによりますね。

 

ってことでまずはじゃがいもの緑色の正体について。

 

緑の正体は毒性のあるソラニン!

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はい、みなさんの予想通りです。

 

 

じゃがいもの緑色の正体は毒性のあるソラニンです!

 

 

ソラニンはフグの毒などと同じで、じゃがいもから自然に発生する天然毒素です。

 

またソラニンと似た毒素の「チャコニン」も同時に発生します。

 

じゃがいものソラニンには食中毒の危険がある!?

じゃがいものソラニンが危険かどうかは量によります。

 

 

実は緑色でない通常のじゃがいもにも、可食部分(実と皮)に平均7.5mgのソラニンやチャコニンが含まれているのです。

 

つまり少量なら人体に害はありません。

 

 

しかしその量が多くなると体に悪影響を及ぼし、最悪死亡に至るほどの強力な毒になります。。

 

 

ソラニンの致死量は大人の場合で350mg程度ですが、

 

 

子どもの致死量はその10分の1!

 

 

大人が少量食べる程度なら特に症状も出ません。

 

しかし抵抗力の弱い子供の場合は、少量でも影響が強く、症状が出ることがあるので子供にじゃがいもを食べさせるときは特に注意が必要です。

 

 

さすがに少し緑色のじゃがいもを普通の量食べた程度では致死量にまで至らないため、じゃがいもを食べて死んだ事例は国内ではありません。

 

しかし致死量には至らなくても、食中毒が起こった事例はけっこうあります。

 

 

特に小学校で、学校の農園で栽培したじゃがいもを使った調理実習での食中毒事件の事例が多いです。

 

例)

2009 年、 7 月 16 日午前 10 時 20 分ごろ、奈良市の市立小学校の 6 年生が、学校で栽培して収穫したジャガイモを、家庭科の授業で自分たちで炒めるなどして食べたところ、 2 クラス 53 人のうち、 35 人が吐き気や腹痛を訴え、このうち午後1時時点で、男児 9 人、女児 8 人が救急車で病院に搬送された。症状は全員比較的軽い。市保健所の検査で、調理済みのジャガイモで市販品の数倍〜 10 倍程度の 100g 当たり最大 50mg 、皮部分には 104mg のソラニンが含まれており、ソラニンが原因と断定した。子供の場合、 20mg 程度で食中毒を起こすという。残りのジャガイモにはソラニンの含有量が多い緑色の皮のものもあったが、児童らは皮付きのまま食べていた。  (2009 年 朝日新聞、毎日新聞報道 )

引用元:厚生労働省:自然毒のリスクプロファイル:高等植物:ジャガイモ

 

 

これはおそらく

 

  • 自家栽培や家庭菜園のじゃがいもは育ちが未熟でになりがちで市販のじゃがいもよりソラニンの含有量が多くなりやすいこと
  • 調理実習でじゃがいもを皮付きのまま調理したこと
  • 子どもは大人と比べてソラニンに対する耐性が弱いこと

 

などが原因です。

 

 

スーパーなどで売られているじゃがいものソラニン含有量は0.1mg以下とごく少量です。

 

でも自家栽培のじゃがいもの場合、未成熟なものだとソラニンの含有量がなんと100gあたり最大で50mgにもなるんだとか!

 

 

子どものソラニンの致死量は35mg程度。

 

100gのじゃがいもを食べただけで致死量を接種してしまい、死に至る計算です。

 

そりゃ食中毒になりますね。

 

 

特にじゃがいもを家庭栽培するとソラニン中毒の危険性がたかいので注意が必要です。

 


出典:農林水産省:ジャガイモによる食中毒を予防するために

 

 

農林水産省のじゃがいもの食中毒予防に関するページにじゃがいもを家庭栽培する際の注意点が動画で詳しく載ってるので参考にしましょう。

 

 

ちなみにソラニンが多く含まれるじゃがいもを食べると舌がピリピリしたりするのでそう感じたらすぐに食べるのをやめましょう。

 

緑色に変色したじゃがいもはもちろん、未熟で小さいじゃがいももソラニンが多く含まれる可能性が高いので注意が必要です。

 

 

また、ソラニンは神経毒なので中毒になるとけっこう危険ですが、死ぬほどの量を取らなくてもさまざまな症状が出る可能性があります。

 

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ソラニン中毒の症状

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  • 頭痛
  • 嘔吐
  • 吐き気
  • 腹痛
  • 下痢
  • 食欲減退
  • めまい
  • 呼吸困難

など

 

症状はじゃがいもを食べてからおよそ20分後くらいから現れ始めます。

 

 

もし食べた後に体調を崩した場合ですが実はソラニンの毒は解毒や中和ができません。

 

なので水分を多くとるなどして体から毒が排出されるまで待つしかありません。

 

 

ただめまいや呼吸困難など症状が重い場合は危ないのですぐに病院に行きましょう。

じゃがいもの皮が緑の場合と中身が緑の場合の違い

緑色のじゃがいもには2パターンあります。

 

皮が緑の場合と中身が緑の場合です。(両方の場合もあります)

 

 

普通は皮が緑のものが多いですが、たまに皮は普通なのに中身がうっすらと緑色のじゃがいももあります。

 

こういうのはゆでて切ってから初めて気づいたりするのでやっかいですね。

 

皮の方が毒性は強い

皮の緑も実の緑も緑色の正体はソラニンで一緒です。

 

ただし、実より皮の方がソラニンの含有量が多いです。

 

 

その差、なんと22倍!!

 

 

皮ごとゆでたじゃがいもを使った小学校の調理実習で食中毒事件が起きたのも納得ですね。

 

ちなみにじゃがいもの芽は皮よりもさらにソラニンの量が多いので芽は絶対に取り除いてくださいね。

 

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じゃがいもの緑色の部分は取り除けば食べれる

食べるときは、じゃがいもの緑色のソラニンが含まれてる部分を十分に取り除けば大丈夫です。

 

皮が緑の場合、中身が緑の場合で少し取り除き方が異なります。

 

じゃがいもの皮が緑色の場合

じゃがいもの緑色になっている部分の皮を厚めにむいてください。

 

そしてむいたあとに必ず中まで緑じゃないか確認しましょう。

 

 

中も緑だったら、それも取り除きます。

 

じゃがいもの中身が緑色の場合

中身が緑のときは緑色の部分を少し多めにカットして捨て、緑色になってない部分だけを食べましょう。

 

しかし中心部まで緑色で緑じゃない部分がほとんどないようなものは捨てましょう。

 

 

特に未熟な小さなじゃがいもは中身まで緑で全体にソラニンやチャコニンを含んでおり、食べれません。

 

芽にも注意!

じゃがいもの毒、「ソラニン」や「チャコニン」ですが、実は

 

 

芽>皮>実

 

 

の順で多く含まれています。

 

 

なので緑色の部分だけ取り除いて安心してはいけません。

 

芽もちゃんと取り除いてください。

 

 

特に子供に食べさせる時は根元からがっつり取り除くことをオススメします。

 

参考:じゃがいもに芽が出たら食べれる取り方と芽が出にくい保存方法

 

加熱では無毒化できない

毒はしっかり火を通して加熱すれば無毒化できそうなものですよね?

 

でも残念ながらじゃがいものソラニンは熱では分解されず、無毒化できません。

 

 

参考までに。

 

ジャガイモを15分間茹でても、α-ソラニンやα-チャコニンの濃度の有意な低減はみられなかった。α-ソラニンやα-チャコニンの標準品(高純度のα-ソラニンやα-チャコニンを含む溶液)を沸騰水中で150分間茹でても、分解はみられなかった。

 

ジャガイモを170℃で5分間揚げた場合、調理後のα-ソラニンやα-チャコニンの濃度はばらつきが大きく、有意な濃度の低減はみられなかった。

 

調理によるソラニンの増減

 

引用元:農林水産省:ソラニンやチャコニンの加熱調理による影響

 

170℃で揚げても全然減らないし210℃で揚げると少し減るけど6割くらいは残ってしまうのです。

 

つまりじゃがいもの緑色の部分や芽は取り除く以外に方法はないのです。

なぜじゃがいもが緑色に変色するのか?

ではそもそもじゃがいもがソラニンを形成し、緑色に変色してしまう原因はなんでしょうか?

 

日光で光合成するせい

日光によりじゃがいもが光合成すると皮に葉緑体(別名、クロロフィル)という光合成色素が形成され、緑色になります。

 

葉緑体は小学校の理科で習ったかもしれませんが、植物全般に含まれる成分で光が当たるとデンプンを生成します。

 

 

通常葉緑体が多いのは葉で、ジャガイモも普通は葉で光合成をおこない、生成されたデンプンがじゃがいもの実に送られて、食べられるじゃがいもができます。

 

でもじゃがいものみが地上に出て太陽の光を浴びると実(根)の部分にも光合成のための葉緑体が作られ、緑色になるのです。

 

そして緑色になると同時に天然毒素の「ソラニン」や「チャコニン」を生成してしまいます。

 

 

学校の農園や家庭菜園でそだったじゃがいもは土が浅くしかかぶってないために太陽の光を浴びてしまい、緑色に変色してしまうことが多いのです。

 

本来はじゃがいもの生育過程で時々土寄せして実が地上に出ないようにしないといけません。

 

 

そしてこの緑色になったじゃがいもは毒素を多く含むため、食べると中毒症状を引き起こします。

 

 

だからじゃがいもは、絶対に日光に当たらない暗い場所に保存するようにしましょう。

 

新聞紙で包んでしまうのもいい方法です。

 

 

ちなみに里芋は緑色ではなく赤色に変色します。

 

参考:里芋の赤色やピンク色があるけどそれってなぜ?食べて大丈夫?

じゃがいもの保存方法は?

じゃがいもの保存方法は常温がベストです。

 

ただし高温多湿な環境は適しておらず、直射日光の当たらない冷暗所がベストです。

 

 

じゃがいもの最適な保存温度は7〜15℃です。

 

 

風通しのいい場所にネットに入れてぶら下げておくか、新聞紙で包んで保存しましょう。

 

また土がついてると湿気を呼ぶ原因になるので払いましょう。

 

ただし水洗いすると日持ちしなくなるので紙や布で払ってください。

 

 

ただし、夏は部屋の中も高温多湿になるため、冷蔵庫に入れた方がいいです。

 

しかし冷蔵庫にじゃがいもをそのまま入れると乾燥してしわしわになってしまいます。

 

新聞紙に入れてそれをさらに容器かジップロックなどに入れて野菜室に入れるのがベストな方法です。

 

保存期間は?

じゃがいもの保存期間は保存の状態によって変わります。

 

冬に新聞紙に包んで冷暗所に保存すれば2〜3か月持ちます。

 

しかし多少温かい場所だと数週間〜1ヶ月くらいで傷み始めるでしょう。

 

 

冷蔵庫に入れる場合はじゃがいもが乾燥するのであまり長期保存には向きません。

 

が、新聞紙に包んで密閉容器に入れれば数週間は持ちます。

 

 

ただし、高温多湿だったり通気性が悪かったりで保存環境が悪いとすぐに芽が出てしまったりします。

 

あまり家庭内にいい保存場所がない場合は大量購入は避け、食べる分だけ買うようにしましょう。

まとめ

以上まとめると

 

  • じゃがいもが緑色になった部分には毒性のあるソラニンが含まれている
  • 子どもはソラニンの毒に対する耐性が弱いので要注意
  • ソラニンの量はは芽→皮→実の順に多い
  • 緑色の部分を取り除けば食べれる

 

ということでした。

 

たかがじゃがいもと思ってあなどると、食中毒になる危険があるということです。

 

皮だけ緑の場合、中身だけ緑の場合などもありわかりづらいので気を付けてくださいね。

 

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