エビのしっぽの黒い部分は毒なの?食べたら消化不良になる?
エビフライなどのエビを使った料理には、しっぽの付いたままのエビが使われますよね。
しかし、しっぽまで食べる人と、食べない人がいます。
エビのしっぽは食べないという人の意見の中には、汚そうなどの意見がありますが、しっぽには毒があるという噂もあります。
しっぽを食べる人もいますが、本当に毒があるのでしょうか?
また、何か栄養は含まれているのでしょうか?
今回は、エビのしっぽには本当に毒があるのか、また、栄養はあるのかなどについて、ご紹介したいと思います。
エビのしっぽには毒があるって本当?
結論から言うと、エビのしっぽには毒は含まれていません。
しかし、エビのしっぽを食べることで体に不調をきたすことがあるので、このことから毒があるといわれるようになりました。
エビのしっぽの主成分は「キチン質」という動物性食物繊維でできています。
このキチン質は消化液では消化しにくく、消化不良を起こしてしまうことがあります。
消化不良は、腹痛や下痢にもつながり、このことが毒のように感じられたのかもしれないですね。
また、エビのしっぽには小さくて硬いとげがあり、よく噛まずに食べてしまうとこのとげが喉や胃腸に刺さり、炎症を起こすことがあります。
とげで喉や内臓を傷つけてしまわないよう、食べる時にはよく噛んで食べないといけません。
エビはもともと汚れがたまりやすく、特にしっぽには汚れた水分がたまってしまっている可能性があります。
外食などで出てくるエビはこの汚れも綺麗に処理されていて、毒もないので、基本的にはエビのしっぽは食べても問題ないですよ。
エビのしっぽを自宅で食べるには?
エビのしっぽの下処理には、とげのような部分の中にたまった汚れた水を出すことが必要です。
包丁やハサミでとげの部分をカットし、押し出して水分を外に出しましょう。
そうすると、汚れた水が外に出てきて、黒かったしっぽが半透明になったらきれいになった証拠です。
エビによっては水が出てこない場合もありますが、とげをカットしておくことで、食べる時に口の中やのど、胃腸で刺さる心配もなくなります。
お店で出されるエビの料理も、やはりすべてしっぽの部分は下処理がされています。
安心してエビのしっぽを食べるためにも、面倒ではありますが、しっかりとした処理をしてから調理しましょう。
エビのしっぽには栄養があるの?
毒があると言われているエビのしっぽですが、実際には毒がないどころかさまざまな栄養が含まれています。
まず、先ほどにもご紹介したエビのしっぽの主成分である「キチン質」は、消化されにくい欠点もありますが、血中の悪玉コレステロールを下げる役割があります。
また、体の免疫力を高めたり、体内の塩分を体の外に出して、血圧を下げてくれる効果がります。
さらに、脂肪の吸収を抑えることもでき、ダイエット効果が期待できます。
人工皮膚や手術の縫合糸などに使われることもあるほど、わたしたちの生活に役に立っている物質です。
他にも、栄養素として有名なカルシウムも、エビのしっぽには豊富に含まれています。
カルシウムは歯や骨の元となる成分で、丈夫にしてくれ、骨粗鬆症の予防にもなります。
また、血管や筋肉の活動も促進する効果があるので、高血圧や動脈硬化の予防効果があります。
イライラしやすい人はカルシウム不足だともいいますが、本当にイライラを抑える効果もあるようです。
もうひとつ、エビのしっぽに含まれる重要な栄養素で、アスタキサンチンという成分があります。
アスタキサンチンはエビに火を通すと赤くなる色素のもとで、紫外線から守ってくれる効果があり、シミやしわを防ぐことができるそうです。
実際に、化粧品に使用されている成分なので、その効果は抜群です。
エビのしっぽにはあまりいいイメージを持っていない人が多いですが、意外にも栄養たっぷりで、食べることでいい影響を得ることもできますよ。
まとめ
エビのしっぽは、
- 毒は含まれていない
- 主成分であるキチン質が消化不良を起こしたり、とげがのどや内臓に刺さることで不調をきたすことがある
- 汚れた水分が中にたまっていることがある
- とげの部分をカットして汚れた水を外に出すことで、安心して食べられる
- 主成分であるキチン質には、血中の悪玉コレステロールを下げたり、体内の塩分を排出する効果がある
- 骨粗鬆症の予防やイライラを抑えるカルシウムや、シミ、シワを予防するアスタキサンチンが含まれている
ということでした。
わたしも今までエビの尻尾を食べない派でしたが、こんなにたくさんの栄養が詰まっていたんですね。
次にエビを食べる時は、きちんとしっぽの下処理をしてから食べてみようと思います。
エビのしっぽには毒はなく、栄養が豊富に含まれています。
気をつけて食べると体に悪影響を及ぼすこともないので、食べていなかった人も、ぜひ一度食べてみてください。
関連ページ
- エビの背わたを簡単で綺麗に取る方法!臭みを取る下処理の仕方も紹介!
- エビの下処理の難点といえば背わた。 これってめちゃくちゃ取りにくいし、身が裂けちゃったりしてどうしてもうまくいかないことが多いんです! 家では調理のめんどうなエビの背わた取りや臭いを取る方法を調べてみました!
- エビのアレルギーって何歳から発症するの?甲殻類アレルギーの症状とは?
- おいしい冬の幸のエビやカニですが、食物アレルギーが原因で食べることができない人もいることはご存じでしたでしょうか。 どんな症状をおこすのか、症状がでたらどうしたらいいのでしょうか。 今回はえびのアレルギーについて、中盤からはカニのアレルギーをまとめて甲殻類アレルギーについてまとめてみました。
- エビはどうやって洗うの?正しい剥き方や臭みを消す方法って?
- 私はいつもエビを水に流しながら殻をむいて、背ワタを取ってから再度水洗いしています。 でもこのやり方だとエビの臭みが消えないことがありますし、実際正しいとはいえない気がします。 そこでエビの洗い方や正しい剥き方、臭みを消す方法について調べたので紹介します。
- エビフライの衣がはがれるのはなぜ?防止策と上手な揚げ方は?
- エビフライ作っても衣がはがれたり、衣がサクサクに揚がらなかったり、はじめの頃は失敗ばかり。 お店のようなエビフライを作りたい! そう思いませんか? 今回は、エビフライの衣がはがれない、サクサクにおいしく上手に揚げるコツを紹介します。