唐揚げの下味は一晩漬けたら長すぎ? 漬け時間による味の変化は?
お弁当に普段のごはんにと、なにかと食卓にのぼる機会も多い、唐揚げ。
そんな唐揚げを作る時、下味に漬け込む時間に迷ったことはありませんか?
手が空いた時に漬け込んでおけば楽だけれど、漬かりすぎてしまうのもよくなさそう。
かといって、揚げる何分前に漬け込もうと、と思っていても、バタバタしているうちに忘れてしまっていた、ということも。
理想とする唐揚げの漬込みの時間にしても、ご家庭によって大きく差があるようですね。
今回は、唐揚げの漬込み時間と味の変化について、はっきりとさせていきましょう。
唐揚げの下味、一晩漬け込むのは長すぎ?
唐揚げの漬込み時間は、長くても2〜3時間程度のレシピが多いですが、1晩漬込むのも、長すぎではありません。
しっかりと味のついた唐揚げがお好みの場合は、1晩程度漬込んだ方が、味の濃い唐揚げを作ることができます。
ここでポイントなのは、「一晩」というところ。
「一晩」とは、だいたい8〜10時間程度のことを指します。
夜に下味に漬け込んでおき、朝、お弁当のために揚げる、というような想定です。
「1日」となるとまたかなり時間が長くなってしまいますので、要注意。
長く下味につけると、味が濃くなりすぎるだけでなく、鶏肉と下味の液体との浸透圧の関係で、鶏肉の内部から旨味成分が下味にしみ出てしまうので、ジューシーさが失われてパサついた唐揚げが出来上がってしまいます。
唐揚げの下味を一晩漬け込むのは長すぎではありませんが、逆に長くても漬け込むのは一晩程度にしておきましょう。
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漬け込み時間によって唐揚げの味はどう変わる?
長い時間下味につけておくと、それだけ唐揚げにしっかりとした味がつくと思いがちですが、そう単純な話でもないようです。
たしかに長く漬け込むと味は濃くしっかりつきますが、長く漬ければつけるほど、揚げた時に塩味が強調された味になります。
下味のレシピは様々ですが、醤油ベースにニンニクやしょうがの風味を効かせたものが多いと思います。
長く漬け込んでいくうちに、ニンニクやしょうがのパンチある香りは薄れてしまい、醤油のコクやうまみよりも「塩辛い」が強調された味の唐揚げに近づいてしまいます。
これは、前項でもご紹介した、浸透圧が関係しています。
塩味は、鶏肉の旨味成分を外に引き出し、空いたところにどんどん入り込んでいくのです。
また唐揚げを作る時、下味のレシピは、前提とする漬け込み時間と連動していますから、そこに記載の漬込み時間を守るのが大事です。
15〜20分というように漬け込み時間が短く記載されている場合、その短時間でしっかりと味がつくような、濃いめの配合になっています。
長い時間漬込むことを前提にする場合は、醤油などの塩味の割合を減らし、浸透圧でうまみと塩味が入れ替わるのをゆるやかにしてやる必要があります。
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唐揚げの下味に必要な材料や道具って何?
唐揚げの下味を漬けるときに必要な材料や道具にはどんなものがあるのでしょうか?
それぞれの必要なものを紹介します。
材料編
まずは材料について、必要なものは3つあります。
それは、しょうゆ・生姜・酒です。
しょうゆは唐揚げの味のベースであり、酒や生姜は鶏肉の臭みを消す役割を持っているだけでなく、風味と旨味を加え、鶏肉を柔らかくする効果があります。
確かにこの3つがないと、唐揚げではなくなってしまいますね。
お好みで、しょうゆをご当地のものに変えることもできますし、忙しいときや時間短縮したいときは、チューブ入りの生姜でも対応できます。
それぞれ好みの味にしたいときはこの下味の量を調整した方がよいですね。
道具編
次に必要な道具についてですが、2つあります。
それは、ポリ袋とフォークです。
ポリ袋は想像つきますが、フォークは何でしょうかね・・・。
ポリ袋の役割ですが、下味をつけるために肉と調味料を全て入れるために使用し、フォークは下味を漬ける前に肉を柔らかくするために使用します。
ポリ袋のメリットは手が汚れず、洗い物も少ないことであり、フォークは事前に肉に刺すときに大量に穴をあけることができます。
事前に穴をあける作業はなかなか手間ではありますが、フォークはたくさん刺せる部分がありますし、ある程度力が入っても曲がることもありません。
この作業で肉が柔らかく、下味も染み込みやすくなるので時間があるときにやってみるとよいかもしれないですね。
おいしい唐揚げの下味レシピを紹介!
下味の漬け込み時間についてわかったところで、おいしく下味がつく唐揚げのおすすめレシピをご紹介します。
鶏もも肉300gに、味が染みやすいようにあらかじめフォークなどで穴をあけてから食べやすい大きさにカットし、下記の調味料を混ぜ合わせたものに漬け込みます。
漬け込み時間は、どれも30分程度で揚げてください。
王道にして定番!シンプル唐揚げ
- 醤油・・・50cc
- すりおろししょうが・・・大さじ1
- すりおろしにんにく・・・大さじ1
シンプルにしてこれぞ定番!という唐揚げの味になります。
揚げたときに表面のカリっとした食感がお好みであれば片栗粉を、サクっとしてジュ・・・シ・・・さ重視の仕上がりがお好みであれば小麦粉をまぶしてから揚げます。
さっぱりなのにコショウがキリリ!塩にんにく唐揚げ
- 鶏ガラス・・・プのもと・・・小さじ1/2
- 酒・・・大さじ1
- ごま油・・・大さじ1
- すりおろしにんにく・・・大さじ1
- ブラックペッパ・・・・・・適量
いつものお醤油風味の唐揚げに飽きたら、にんにくとブラックペッパ・・・が効いた中華風の唐揚げはいかがでしょか?
酒を紹興酒に変えると、より本格的な味わいになります。
粉をつけるときに、ごまを混ぜて一緒にまとわせるのもおススメです。
辛さがやみつき!韓国風唐揚げ
- 酒・・・大さじ2
- コチュジャン・・・小さじ2
- ごま油・・・小さじ1
- 醤油・・・小さじ1
- すりおろししょうが・・・小さじ1
- すりおろしにんにく・・・小さじ1
下味に辛調味料のコチュジャンを加えると、一気に韓国風な唐揚げに仕上がり、ビールがすすむ1品になります。
辛いのが好きな方は、さらに豆板醤小さじ1を加えてホットな唐揚げに。
逆に辛いのが苦手な方は、はちみつ大さじ1を加えると、辛さがまろやかになります。
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唐揚げのおすすめアレンジレシピ
唐揚げは毎日同じじゃ飽きますよね。
たまにはアレンジしてはいかがでしょうか?
唐揚げアレンジレシピの中でも特に人気のレシピを2つ紹介します!
1. 簡単!揚げない鶏の唐揚げ
1つ目は、揚げない鶏の唐揚げです。
材料(2人分)
- 鶏モモ肉・・・1枚
- 塩コショウ・・・少々
- 卵・・・1/2個
- おろしにんにく:A・・・1片
- おろししょうが:A・・・小さじ1
- しょうゆ:A・・・大さじ1
- 砂糖:A・・・小さじ2
- 酒:A・・・大さじ1
- 薄力粉・・・大さじ1
- 片栗粉・・・適量
- サラダ油・・・大さじ3
作り方
- 鶏肉を食べやすい大きさに切り、塩コショウとAの調味料を入れて揉み込みます。
- 溶き卵を入れて再び揉み込み、冷蔵庫で15〜20分ほど置いておきます。
- 冷蔵庫から取り出し、薄力粉を入れてよく混ぜます。
- フライパンに油を入れて、強火で熱しておき、鶏肉に片栗粉をまぶして中火でじっくり焼いていきます。
- こまめにひっくり返しながら揚げ焼きにしていき、火が通ったら完成です。
調理時間は冷蔵庫に置く時間も入れて、およそ30分〜35分といったところでしょうか?
そのくらいの時間なら、他の料理を作っておいて最後に唐揚げを揚げることができますよね。
こちらのレシピですが、普通に油で揚げても大丈夫で、火加減は焼き色を見ながら弱火〜中火で調整しましょう。
揚げ物をするときは、使い終わった油が面倒なのですが、これならそこまで油も使わないですし、サクっと仕上がるのでおススメですよ。
2. 鶏の唐揚げ南蛮風
2つ目は、鶏の唐揚げ南蛮風です。
材料(4人分)
- 鶏モモ肉・・・2枚
- 酒:A・・・大さじ2
- しょうが汁:A・・・小さじ1
- しょうゆ:A・・・大さじ1
- ネギ:B・・・1/2本
- ごま油:B・・・大さじ3
- だし:B・・・カップ1/4
- しょうゆ:B・・・大さじ1+2/3
- 砂糖:B・・・大さじ1
- 酢:B・・・大さじ1+2/3
- 片栗粉・・・適量
- 油・・・適量
作り方
- 鶏モモ肉1枚を8等分し、ボウルに鶏肉とAの材料を全て入れて混ぜ、5分ほどなじませます。
- ネギをみじん切りにし、ボウルに入れてごま油を加えてすりつぶし、残りのBの材料を加えて混ぜます。
- @に片栗粉を振り入れながら混ぜていきます。
- 油を170〜180℃に熱し、@を5分間ほど色がつくまで揚げていきます。
- CにAのタレを絡めて、器に移せば完成です。
調理時間は約15分で、先ほどの揚げない唐揚げよりは短い時間で作ることができます。
ポイントは、南蛮タレのネギは水にさらさずにそのままごま油をまぶすことと、片栗粉は下味の調味料の汁気がなくなる程度に入れることです。
材料に適量と書いてあるレシピもありますが、こうした目安があるとうれしいですよね。
また短い時間で大量に作ることができるので、翌日のおかずやお弁当にも残せそうです。
油で揚げるのが苦ではない方にはこちらの唐揚げがおススメです。
まとめ
唐揚げにはかかせない、下味の漬け込み。
漬ける時間が長くなれば、その分味が濃くなるだけかと思いきや、塩味が強くなりすぎたり、旨味を失ってしまったりと弊害も出てきますから、長くても一晩、という時間には留意したいですね。
下味のレシピもご紹介しましたが、他にもカレーパウダーや山椒、ゆずこしょうなど、冷蔵庫にあるものを定番下味に“ちょい足し”すると、またいつもとはちがった唐揚げを味わえます。
バリエーション豊富な下味を適切な時間漬け込みして、いろいろな味付けで唐揚げを楽しんでくださいね。
こちらもよければどうぞ。
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