栗を甘くする茹で方と保存方法!茹でたあと甘くなかったときのアレンジレシピも!
いも、くり、なんきん…
と昔から言われるように、栗は甘い食材代表の一角を担う存在ですよね。
栗と聞くと、天津甘栗の焼ける甘〜いにおいがおもわず想像の中で広がってしまう…という人も多いのではないでしょうか。
秋になると、スーパーに出回る栗を見かけて購入したり、中には栗拾いに出かける方もいらっしゃるでしょう。
手に入れた生の栗をゆでて、ザルに取り上げて、切り目を入れて…。
ワクワクしながら開いたゆで栗を、パクっと一口食べてみると。
「あれ、甘くないけど…どうして!?」
と驚いてしまうことがあるかもしれません。
もさもさとしたジャガイモのような、甘みのない栗…。
そんな風に出来上がってしまったゆで栗と、天津甘栗のような甘〜い栗を比較すると、
「もしかして、売られてる甘栗とかむき栗が甘いのって砂糖のせいで、栗自体は甘くないのかな…」
とついつい疑ってしまうほど、甘さが違いますよね。
実は、栗を甘く仕上げるにはいくつかの外せないポイントがあり、そこを押さえておかないと甘〜い栗にはならないのです。
そこで今回は、栗を甘くする方法と、すでにゆでてしまった「甘くない栗」を美味しく食べるためのアレンジ方法をご紹介していきますね!
栗を甘くする茹で方
中華街に観光に行った際など、甘栗を焼いているところに遭遇したことはありますか?
大きな鍋の中で、ジャリ、ジャリ…という音とともに栗が回転していたことでしょう。
実はあの鍋の中には、栗以外に砂利も入っていて、それでじゃりじゃりと音がしています。
石焼き芋と同じように、甘栗も石で焼いているのです。
甘栗も石焼き芋も、石焼きにしたものはとっても甘く感じますよね。
石で焼くと、遠赤外線効果でまんべんなく熱が行き渡るから…ということもあるのですが、石を通して間接的に栗や芋に熱を伝えることで、60〜70度の低温調理になっているところにも大きなポイントがあるようです。
栗にも芋にも、豊富なデンプンが含まれています。
デンプン自体は甘くないのですが、アミラーゼという酵素がデンプンを分解することで糖が作られ、甘くなります。
そのアミラーゼのはたらきが最も活発になるのが、60〜70度なのだとか。
つまり、60〜70度の低温で、できるだけじっくりじっくり加熱することで、栗はどんどん甘くなる、ということですね。
ただ、ご家庭では石焼きなんてそうそう出来ませんので、一番身近な栗の調理法といえばやはり「ゆでる」でしょう。
おすすめのゆで方をご紹介
用意するもの
- 塩(量は後述)
- 鍋
鍋はステンレスのものでも良いのですが、もしあれば土鍋のほうが、熱の伝わり方がゆっくりなのでより甘く仕上がりやすくなります。
ゆで方
- ゆでる前に、半日以上水につけておく
- 一度水を捨て、栗が浸るくらいの水を加え、水1リットルに対し大さじ1の塩を入れる。
- 弱火でゆっくり沸騰させる。沸騰後、何度か水を加えて温度が上がりすぎないように気を付ける。
- 40分経ったら火を止めて、冷めるまでそのまま放置する。
以上で、しっとりと甘い栗が茹で上がります。
ただしゆでることで糖分が水に逃げてしまうので、さらに甘さを追及する場合には蒸すほうが良いかもしれません。
栗を甘くする保存方法
前述のアミラーゼ、実は0度前後でも働くことが分かっています。
春に向けて発芽の準備をする種子の中では、冬の間にアミラーゼが活発に働き、デンプンを糖に変えていきます。
栗もまた種子なので、冬の環境に近い0度前後の環境に保管することで甘くなっていくのです。
もし時間があるなら、栗を調理する前には冷蔵庫のチルド室に3週間ほど保管してからのほうが、ぐっと甘くなりますよ。
また、常温下ではアミラーゼは働かず、栗の糖度は下がっていってしまうので、3週間とまでいかなくても、すぐ使わないときはやはりチルド室に保管するのをおススメします。
茹でた栗が甘くなかったときのアレンジレシピ!
そうはいっても何かしらの手違いで、出来上がったゆで栗が甘くないこともあるでしょう。
栗をゆでるときといえば大体まとまった量を一気にゆでるでしょうから、甘くない栗が大量にできてしまうと、なかなか減らなくて困ってしまうかもしれません。
そこで、甘くない栗でも美味しく食べるためのレシピをご紹介します!
マロンクリーム
材料
- ゆでた栗 200g
- 砂糖 70g
- 牛乳 50t
作り方
- 材料をすべてミキサーにかける
- 鍋に入れて火にかけ、お好みの固さになるまで煮詰めたら出来上がり♪
パンに塗っても良いし、そのまま食べてももちろん美味しいです。
栗コロッケ
材料
- ゆでた栗 400g
- 玉ねぎ 2分の1個
- ひき肉 80g
- 卵 1個
- 薄力粉 適量
- パン粉 適量
作り方
- みじん切りにした玉ねぎとひき肉を炒め、塩コショウで味をつける。
- 栗をマッシュし、1を加えて混ぜる。
- 成形したら薄力粉、卵、パン粉の順に衣をつけて、180度の油で揚げる。
ほくほくしていてほんのり甘く、美味しいですよ♪
まとめ
今回は、栗を甘くするためのゆで方と保存方法、甘くなかった場合のアレンジレシピをご紹介しました。
0度で保管、60〜70度でじっくり加熱…アミラーゼの働く温度帯がポイントでしたね。
もし甘くない栗が出来上がってしまった場合でも、アレンジすれば美味しく食べられるので安心ですね。
甘くする方法を知ると、どこまで甘くなるのか!?と限界に挑戦したくなりませんか?
私はなります。(笑)
じっくりじっくり加熱するために、休日の朝からコツコツ、ぐつぐつ…一日中お鍋を見守りながら、読書なんかして過ごす休日も、なかなかいいかもしれません。
みなさんも、しっかりポイントを押さえて、栗を甘〜く育てて!今までよりランクアップしたゆで栗をぜひご堪能下さいませ。
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