牛肉の中身が赤いまま食べても大丈夫?加熱の仕方や緑色になった場合は!?
牛肉をレアやミディアムで焼くと、中身が赤いままの状態となりますが、この状態に不安や疑問をお持ちの方も多いと思われます。
赤い=生なんじゃ?
と普通は思いますよね?
牛肉も豚肉や鶏肉と同様、しっかりと加熱をしないと、食中毒にかかる恐れがあります。
今回は、そのような牛肉について、中身が赤いままの部分を食べても問題はないのか、実際の加熱の仕方や、緑色に変色した場合などについてご説明しましたので、ご参考にしていただけたらと思います。
牛肉は中身が赤いまま食べても問題はない?
牛肉の場合は、食中毒の元となる菌はお肉の表面に付くとされているため、加熱した後であれば中身が赤いまま食べても問題はありません。
また、他にもお肉が赤くなる原因には、お肉を調理した後に少し時間をおくと、お肉に含まれるミオグロビンという物質が空気に触れることに赤くなるといったものもあります。
加熱する際は、75℃で1分が時間の目安となります。
この際、加熱せずに食べると、牛肉に付着している恐れのあるカンピロバクターや腸管出血性大腸菌(O157)、サルモネラ菌などといった食中毒にかかってしまう恐れがあります。
これらの食中毒にかかると、頭痛や発熱、下痢などの症状が現れます。
こうした食中毒を防ぐためには、お肉を購入する際は一番最後に買うこと、食事の前にはしっかりと手を洗うこと、長期間保存してしまったものは捨ててしまうことなどの対策も有効です。
これとは別に、ハンバーグを作るためにミンチ状にしたものなどは、お肉の表面の菌が内部の方のお肉と混ざってしまうため、そうしたお肉は中まで火を通す必要があります。
お肉を食べる際は、このように加熱を正しく行うようにしましょう。
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牛肉の加熱の仕方
まず、食中毒を防ぐための牛肉の加熱の仕方は、75℃で1分間加熱するということをおさえておきましょう。
次に、一般的な牛肉の加熱の仕方についてですが、まず用意するものは、
牛肉の加熱に必要なもの
- 牛肉
- フライパン
- 塩胡椒
- アルミホイル
- バット
であり、以下では牛肉の加熱および焼き方についてご紹介していきたいと思います。
牛肉の焼き方
- 冷蔵庫に保存しておいたお肉を取り出した後は、常温になるまで放置します。
- 常温になるまで放置したら、加熱で牛肉が縮んでしまうのを防ぐために、筋切りをします。
- 煙が出るまでフライパンを単独で熱し、牛脂やサラダ油などを用いてフライパンに油をしきます。
- 常温になるまで放置しておいた牛肉の表裏に塩コショウをふりかけます。
- 塩コショウをしたら次は、牛肉をフライパンに乗せ、中火で加熱していきます。
- レア:55〜65℃以下
- ミディアムレア:65℃
- ウェルダン:70〜80℃
- 牛肉の中身の半分以下まで焼けて来たとき、または、肉汁が牛肉から出て来たら、裏返してまた反対側を焼いていきます。
- 焼き終わったら、バットなどに移し、アルミホイルをかぶせ、中までしっかりと火が通るように5分程度牛肉を休ませる作業をします。
- 5分が経過したら、アルミホイルをとって、お皿に盛り付けて完成です。
この際、高いところから降りかけるようにすると、牛肉にまんべんなく塩コショウがいきわたるようになります。
使う塩コショウは、粗びきのものを使うのがオススメです。
また、霜降りの牛肉を使う場合は、加熱するときになかの油で塩コショウが流れていってしまうのを防ぐために、塩コショウを多めにふりかけます。
塩コショウをかけるのは、加熱の際に牛肉の肉汁が流れ出してしまうのを防ぐためです。
この時の、加熱の温度はおよそ65℃を保つようにすると、牛肉が硬くなってしまうのを防ぐことができます。
補足ですが、牛肉には、ミオシン・コラーゲン・アクチンという3種類のタンパク質が含まれていますが、このうち、アクチンは66℃以上になると変性し、牛肉が硬くなってしまうのです。
また、加熱する際は、牛肉のうま味が逃げ出してしまうのを防ぐため、牛肉をあまり動かさないように気をつけましょう。
参考までに、レア〜ウェルダンまでの牛肉の内部温度の値を乗せておきます。
これは、焼いた後にすぐに食べようと牛肉を切ってしまうと、肉汁が流れ出てしまうため、それを防ぐ目的で行われます。
また、肉汁には、うま味成分も含まれているため、アルミホイルをかぶせて肉汁を閉じ込めることで、牛肉のうま味をさらに引き出すこともできます。
実際に牛肉を調理する際は、これらの手順をご参考に行っていただけたら幸いです。
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鶏肉や豚肉が加熱なしだといけないのはなぜ?
牛肉ももちろん最低限加熱しなければなりませんが、鶏肉や豚肉は牛肉以上に食中毒にかかる危険性があります。
鶏肉で発生しやすい食中毒は、カンピロバクターとサルモネラ属菌で、豚肉ではE型肝炎ウイルスと有鉤条虫(ゆうこうじょうちゅう)が挙げられます。
はじめに鶏肉の食中毒についてです。
まず、カンピロバクターはニワトリなど鳥や家畜の腸に感染する微生物で、人が感染してしまうのは、加熱不足の鶏肉を食べたことなどによります。
感染すると、発熱や下痢、頭痛などが現れ、感染してから発症するまでの期間はおよそ2〜5日とされています。
感染しても、症状は良好となる場合は多いですが、中にはギラン・バレー症候群という症状を発症することもあります。
次に、サルモネラ属菌は、ニワトリや牛などの家畜や、ペット、河川などに生息している菌で、少量の菌でも感染してしまうことが報告されています。
感染すると、6〜72時間程度で発症に至り、症状は、発熱やおう吐、激しい下痢などが起こるとされ、激しい下痢の場合には脱水症状も起こる危険性があるため注意が必要です。
主に、加熱不足の鶏肉などの生肉を食べることで発症に至りますが、鶏肉などを調理した調理器具を別の食材などの調理に使ってしまうことによっても発症するとされています。
続いて豚肉の食中毒についてです。
まずE型肝炎ウイルスですが、これは、E型肝炎ウイルス(HEV)という物質によって引き起こされる食中毒で、食物を摂取するなどして感染するとおおよそ2〜9週間程度で発症に至ります。
感染すると、発熱や腹痛、黄疸、肝臓の機能も悪化するとされており、割合は低いですが劇症化するともされています。
発症した場合は、安静にするなどの対症療法が取られますが、劇症化した場合は人工肝補助療法などの治療法が取られます。
次に有鉤条虫は、寄生虫の一種で、それが寄生している豚肉や加熱不足の豚肉などを食べることによって人に寄生し、体長はおよそ2〜3メートルにまでおよびます。
寄生に至っても、症状が現れることは少なく、現れた場合の症状は悪心や下痢などの症状が出ます。
以上が、鶏肉と豚肉の主な食中毒の内容ですが、どれも予防するためには、調理の前にしっかりと手を洗うこと、お肉の中まで火を通すこと、鶏肉などを調理した調理器具は洗浄することなどの対策が必要となります。
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牛肉が緑色に変色している場合は大丈夫?
牛肉が緑色に変色するのは、牛肉に含まれているミオグロビンという物質が、さらに酸化されたことにより、コールミオグロビンという物質へと変化したために起こります。
この酸化は、牛肉の表面についている乳酸菌が過酸化水素を作り出し、その過酸化水素の酸化作用をミオグロビンが受けることにより起こります。
包丁で牛肉を切った場合などに、切った部分が緑色に光る場合がありますが、こちらは、ビリベルジンという胆汁色素の色となり、人の体に害はありません。
牛肉から腐敗臭がしていたり、ヌメリを出している場合は、腐っていますので、そういった場合はすぐに廃棄するようにしましょう。
また、牛肉を購入したら、ラップで真空状態にして包み、2〜3週間くらいで全て使い切るようにしましょう。
まとめ
牛肉の食中毒の菌などはお肉の表面につくため、加熱をする際は表面をしっかり焼いて入れば、中身が赤くても問題はないことがわかりました。
バーベキューなどでは、牛肉などのお肉類は良く用いられるものの一つですが、しっかりと加熱することで食中毒を防ぎ、楽しいものにできます。
筆者もこれから牛肉を食べる際は、焼き加減を意識して食べるようにしようと思います。
これから牛肉を調理しようという方、正しく調理することで食中毒を未然に防ぎ、今以上に牛肉の美味しさを引き出したい方などは、ぜひ、ご参考にしていただけたら幸いです。
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